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薬の町、道修町に行ってみた! 無料のミュージアムストリートに仰天
大阪メトロ御堂筋線「淀屋橋駅」、堺筋線「北浜駅」から5分ほどの距離にある道修町(どしょうまち)。
一見すると普通のオフィス街なのですが、はてはて、よく見てみると「〇〇製薬」とか「〇〇ファーマ」みたいな名前の企業がずらり。全部医薬品にまつわる企業なんです。
みんながよく知るあの企業もこの企業も、この道修町に本社を置いている、まさに「薬のまち」。
道修町では300メートルほどの距離に医薬品に関する展示施設が六つも!
そんな道修町ミュージアムストリートに行ってみました。
[目次]
■大阪メトロ「淀屋橋駅」出てすぐ! いざ薬のまち、道修町へ
何やら道修町っていうのが、
無料で見られる資料館や博物館が充実しているらしいと聞いて、
さっそく出掛けてみることに。
淀屋橋駅を11番出口から出て、御堂筋に上がります。
ちょうど伏見町の交差点に出るので南に下っていきます。
テクテクと歩いていくとバス停にぶち当たり、
ババン!
「道修町」!
大阪の地名は、読みが特殊なものが多いけど
「道を修める」と書いて、「どしょう」はなかなか難読では?
通りの向かいには、
特徴的な大阪ガスビルがあるので、
バス停を見逃したり、道路標識を見落としても大丈夫!
御堂筋交差する、東西の道路が「道修町筋」。
この東側がいわゆる「薬のまち」道修町エリアです!
一見するとほかの通りと変わらない、
ふつ~のオフィス街なんだけど……
町家とか、
すごい趣のある「薬品」の看板を掲げた建物に出会います。
おしゃれすぎる外観のビルがあったり……。
お、ちょっと雰囲気違うな?
■企業ミュージアムが充実しているストリート
そんなこんなして歩いていると超立派なビルに到着。
ここは塩野義製薬の本社ビル!
「痛くなったら、すぐセデス」の会社ですね!
塩野義製薬の本社ビルは1階ロビーが展示コーナーになっており、
無料で誰でも見学可能です!
早速入ってみましょう!
会社のシンボルマークにもなっている分銅や、
てんびんが展示されています。
絵びら・引き札と呼ばれる、
江戸~明治・大正にかけて使用されていた広告みたいな絵も展示されています。
スプレーぶっかけて虎を退治しようとしているのがクールだ。
塩野義製薬の本社ビルを出て、
さらに東側に1分ぐらい歩くと、
おしゃれ~なビルに到着。
こちらは
田辺三菱製薬の本社ビル!
大手製薬会社の本社ビルがこんなに近くにっ……!!!
かわいいモフモフがお出迎えしてくれます。
こちらは、2階に史料館があり、見学可能!
ただし、事前予約が必要なので注意!
めちゃめちゃ立派な史料館だ…!
創業当時の看板や、
提灯がデデーンと登場。
さらに、
創業当時に作られた薬で使われていた生薬がずらっと並んでいたり。
これまで販売していた薬のパッケージや、
映像でお薬や体のことについて学べるコーナーや
クイズもあり、子どもでも楽しめる内容。
田辺三菱製薬の歴史と、
さらに道修町についても学べる充実の内容でした。
しかし、すごいな……
こんなのが本社のビルにあるのか……。
スタッフさんによるガイドや解説もあるようなので、
じっくり学べます!!
さらに田辺三菱製薬の隣には(隣!?)
住友ファーマの本社ビルが……!!
ほんとに隣にあります。
これはすごいことだ……。
けんかとかしないのかしら。
中には入れないのですが、
外からガラス越しに、
展示が見られるような作りになっています。
製薬に使われていた機材などの史料や
住友ファーマの歴史が学べるパネルなどが展示されています。
■なんで道修町にこんなに製薬会社が集まっているの?
いや、すごいな……
なんでこんなに製薬会社ばっかり……。
Wikipediaによれば、
薬問屋や製薬会社が150軒ほどあるそうで、
代表的なところを上げれば、
田辺三菱製薬
塩野義製薬
住友ファーマ
武田薬品工業
カイゲンファーマ
アリナミン製薬
小林製薬
などなどなど
関西支社、大阪支社を道修町に置いている会社も多く、
道修町通沿いは、医薬品関係の会社がひしめき合っています。
船場センタービル周辺は繊維問屋が集中しているエリアでしたが、
道修町周辺は薬屋さんが非常に多いんですね。
江戸時代に堺の豪商小西吉右衛門が道修町で薬種商を開いたことが
「薬のまち」道修町の始まりとされています。
幕府公認の株仲間「道修町薬種中買仲間」が結成されて、
清やオランダからの輸入薬を一手に扱ったり、
日本産の薬を検査しする和薬種改会所が設置されたり、
薬の品質・目方や適正価格を保証して、全国に流通させていました。
当時、日本で扱われる薬はいったん全部、
道修町に集められていたというほどですから
とんでもない規模だったことがうかがえます。
明治時代以降、
いわゆる漢方薬から西洋の「洋薬」への切り替えが進み、
株仲間が解散されても、
薬問屋は道修町を拠点にし続けて、
今も製薬・薬品会社が数多く存在しているというわけです。
当然、医薬品関係の教育もここで行われていたので、
大阪薬科大学や大阪大学薬学部のルーツも道修町にあるんだそうです。
日本近代医療の祖、と呼ばれ、天然痘治療に尽力した緒方洪庵も
道修町近辺に適塾を設置しています。
すげーな!
歴史があるんだねぇ、ということがよく分かります。
■薬の神様を祭った少彦名神社も! 神農祭は大盛況だ
そんな道修町に欠かせない存在が、
薬の神様である神農様です。
(田辺三菱製薬の史料館にあった像
角が生えてますね)
神農様は人々に医療と農耕の術を教えたという中国の神様。
医薬と農業をつかさどっていて、頭に牛の角が生えているのが特徴です。
お薬を扱う人からすると大変ありがたい神様なのです。
そんな神様を祭る神社が
ビルとビルの間にちんまりと存在しています。
バババン!
ドーン!
ギラッ!
トラよ、トラよ!
少彦名(すくなひこな)神社です!
トラが目立ちますね!
日本医薬の祖神である少彦名命と中国医薬の祖神・炎帝神農を祭る
少彦名神社は「神農さん」の愛称で親しまれています。
日中のお薬の神様がいらっしゃる大変ありがたい神社なんです。
周辺にお勤めの医薬品関係の皆さんはもちろん、
健康祈願や医業関係の資格試験の合格祈願などでも
参拝に訪れる人が後を絶たないのです。
ビルとビルのすき間を抜けると
立派な社殿が!
大阪でコレラが大はやりした時に
トラの骨を使った薬を作り、
張り子のトラと一緒に配ったところ
かなり効果があったということで、
張り子のトラが神社のシンボルになっています。
毎年11月22日、23日に開催される「神農祭」では、
五葉笹につけた「神農さんの虎」が授与されています。
むか~~しにたまたま神農祭に行ったとき写真がありました。
ずいぶん前なので、様子が違うかもですが、
道修町の通りを屋台が埋め尽くし、
いろんな会社のキャラクターたちが一緒に練り歩く、
非常にレアな光景が見れます。
改源!
つぶらな瞳がかわいい!
この神農祭は
周辺の会社の人がみんな神社に参拝するみたいで、
にぎやかなお祭りなのに、
通る人がみんなスーツを着ているという、
あまり他では見られない光景を目にすることができます!
狙っていくのもグッドよ!
神社の張り子のトラをお迎えしてみました。
小さいサイズだけど、ちゃんと張り子のトラで、
首が揺れます。
ぽけーっとした顔が良いね。
■まとめ! プラッと遊びに来るのも、静かにお参りするもよし!
いかがでしか? 薬のまち、道修町。
紹介できなかったスポットも実はまだまだあるんです!
少彦名神社の隣には、
今はコロナで閉館中ですが、
くすりの道修町資料館があり、
道修町についてもっと深く知ることができます!
さらに、
現在は「木工ボンド」で知られるコニシの旧社屋を改装した史料館も道修町に!
建物自体が重要文化財になっています。
(行った日はタイミングが合わず、見学できず…!)
ほかにも
武田薬品工業が設立した武田化学振興財団による、
資料館杏雨書屋(きょううしゃおく)もあります。
武田薬品の五代目武田長兵衛が収集した
東洋の医学書を中心に展示しています。
国宝や重文もあり、見ごたえ十分!
しかも無料!
すげーぜ、道修町!
フラーっと立ち寄ったときに、
時間つぶしに見学するもよし、
神社で静かに参拝するもよし、
知ってる企業の本社をただただ眺めるもよし!
意味もなく淀屋橋から北浜まで歩きたくなったときとかも、
ぜひ道修町通歩いてみてくださいね!
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