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すべて無料!渡船をめぐる大阪旅。レトロ感たっぷりな水都・大阪クルーズ
かつて水の都と呼ばれた大阪。
市内は網の目のように堀川がめぐらされ、その堀川沿いには蔵屋敷や倉庫が建ち並び、舟運を利用した商取引を中心に発展してきました。
そんな水都の名残となっているのが、現在8航路で運航されている市営渡船。なんとすべて無料で乗船でき、年間のべ150万人以上が利用しています。
そんな船を乗り継いで、プチクルーズを楽しんでみせんか。
なぜ無料?大阪の8渡船
大阪市内には、30を超える渡船があった時代もありましたが、橋がかけられたり埋め立てられたりして、現存するのは8カ所のみ。橋をかける(渡る)ことが難しく、渡船が橋代わりとなっているため、「道路」の扱い。だから、無料で乗船できるのです。
地元の人たちの生活には欠かせないもので、自転車を乗せることも可能。通学や通勤、買い物など、日常的に使われています。
運航場所は大阪市内の西側に集中していて、8カ所のうち5カ所が木津川を渡ります。
観光にも便利な天保山渡船と甚兵衛さんが運航した渡船
最初にやってきたのは、JR桜島駅。ここから歩いて数分の海側(天保山側)に天保山渡船場があります。
USJから近く、天保山(海遊館)方面へ行くのに便利。
自転車の人たちに紛れて、いざ乗船。
船内に椅子などはなく、バリアフリーなので、車椅子でも安心して乗れます。
乗船時間は約2分。あっという間に築港側に到着。
次に向かったのは、甚兵衛渡船場。
天保山渡船場からは少し離れているので、メトロと徒歩で移動。
この「甚兵衛」はかつて渡船を営んでいた人物の名前に由来するとか。
渡しにあった茶店は、名物のシジミやハマグリをお目当てに訪れる人でにぎわったようです。今でも8渡船の中で一番の利用者数を誇ります。
全国的にも珍しい、アーチ型の大阪三大水門(木津川・安治川・尻無川)のひとつ、尻無川水門も望むことができます。
このアーチ型の水門は、大阪湾の地形や高潮対策のために設置されたもので、定期的に動作確認が行われています。運が良ければ、閉じた状態を見ることができるかも。
○天保山渡船場
(築港側)大阪市港区築港3-2-25
(桜島側)大阪市此花区桜島3-10-34
○甚兵衛渡船場
(泉尾側)大阪市大正区泉尾7-13-32
(福崎側)大阪市港区福崎1-3-50
橋と共存する3つの渡船
渡船が今も存在するのは、橋がかけられないことが主な理由ですが、橋があっても通行が難しいという理由で渡船が残っているのが、千歳、木津川、千本松、3カ所の渡船です。
千歳橋、新木津川大橋、千本松大橋とそれぞれに大きな橋がかかっています。
まずは、千歳渡船場。
ここには千歳橋がありますが、水面からの高さが約28mで、橋の独特の形状は、ブレースドリブアーチ橋と呼ばれています。
この橋の下をくぐるように運航するのが千歳渡船。
船上から見上げる巨大な橋は迫力満点!
乗船時間は2分程度ですが、船上ならではの景色が楽しめます。
そして、新木津川大橋の下を運航するのが木津川渡船。
新木津川大橋は、完成当時は日本最長のアーチ橋であり、総延長距離は2.4㎞にもなります。歩いて渡ると大人でも30分以上かかる距離ですね。
千歳橋よりもさらに高く水面から50mの高さにあります。
橋の上は、大阪港や周辺の工場地帯の景色を一望できる眺望スポットでもあるので、渡船を上から眺めてみるのもいいかも!
木津川渡船は通勤や通学で使う人が多く、お昼は極端に運航本数が少ないので、乗るときは時刻表をチェックしておきましょう。
そして、3つ目の橋が千本松大橋。
「めがね橋」の愛称で親しまれている千本松大橋の両岸には2重らせん状の高架道路があり、やはり日常利用が難しいようです。かつて大規模な石の堤が設けられ、たくさんの末が植えられたことから「千本松」と名付けられ、なかなかの景観を誇ったようです。
残念ながら、今はその面影はありませんが…
○千歳渡船場
(北恩加島側)大阪市大正区北恩加島2-5-25
(鶴町側) 大阪市大正区鶴町4-1-69
○木津川渡船場
(船町側) 大阪市大正区船町1-1-4
(平林北側) 大阪市住之江区平林北1-1
○千本松渡船場
(南恩加島側)大阪市大正区南恩加島1-11-1
(南津守側) 大阪市西成区南津守2-4-88
対岸はすぐそこ、1分弱のショートクルーズ
残りの3渡船は、対岸が見えていて、乗船時間1分かからないくらいの、船町、落合下、落合上の渡船場。乗船時間が短くても、待合室がちゃんとあります!
船町渡船場は、風雨がしのげる待合室が完備。
レトロな空間がいいですね!
船町渡船場の岸壁間の距離は75m。川幅が狭いため、船を連ねた上に板を敷いて通行していた時代もあったようです。
そして、木津川の中流あたりで1kmほど離れてあるのが落合下渡船場と落合上渡船場。
まちを歩いていると、こんな標識に出会うことも。
この、落合下渡船場、向こう岸に見えているのが西成区側の乗り場です。
壁間の距離は138m。
毎年、10月下旬~翌年の4月下旬にかけてユリカモメの姿も見られるようです。
落合上渡船に乗ると、アーチ型の木津川水門がきれいに見えます。
いずれの渡船も朝6時台~夜は20時か21時台まで運航しているので、季節や時間によって、朝日や夕日、工場夜景などさまざまな景色が楽しめますが、工場へ出入りする車も多いので、乗船される際はご注意ください。
○船町渡船場
(鶴町側)大阪市大正区鶴町1-16-61
(船町側)大阪市大正区船町1-3-117
○落合下渡船場
(平尾側)大阪市大正区平尾1-1-26
(津守側)大阪市西成区津守2-8-21
○落合上渡船場
(千島側)大阪市大正区千島1-29-41
(北津守側)大阪市西成区北津守4-15-1

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