道頓堀川から京都へ向かった
一寸法師は大阪っ子！

むか～しむかしの、その昔。
摂津国の難波にある夫婦が住んでおりました。二人が住吉の明神にお参りし、子宝を祈願しところ、指ほどの小さな子どもが生まれました。夫婦は子どもを大切に育てましたが、一向に背が伸びなかったため一寸法師を名付けました。
16歳になった一寸法師は夫婦に「都へ行く」と伝え、縫い針を刀にし、お椀を舟にして出発しました。その後、一寸法師は都で鬼退治をし、鬼が持っていた打ち出の小づちで大きくなり、世話になった宰相の姫君と幸せに暮らしましたとさ…。

まいど！Osaka ボブです。
日本人なら一寸法師の話を聞いたことがあるよね！ボクは日本に来てから知った物語なんやけど、日本人ってとてもユニークな話を作るなぁって感心しちゃった。「小さな子ども」という発想が面白いし、縫い針を刀にするなんてめちゃ可愛いやん💛そういえば、海外では日本の竹取物語や源氏物語なんかが有名。竹取物語を読んだアメリカの友人は「Hey、Bob！かぐや姫は宇宙人だったのかい？」って言ってたけど（笑）

一寸法師の話。途中で「難波」とか「住吉」って言葉が出ていたよね。
ということは……。
そう、ここ大阪が舞台なんやね！
いやいや、すごいすごいって感心して、大阪の友人に聞いてみたけど、意外と知らない知識みたいでビックリ。京都に行ってからのサクセスストーリーの方に興味があるから？もったいないで、大阪人！そうと分かれば調査開始や！

●一寸法師発祥の地　住吉大社

今日は天王寺から出発！

そして、やってきたのは住吉大社。

天王寺から阪堺電車という路面電車でやってきました。そういえばボク、路面電車に初めて乗ってん。他の電車と違ってゆっくり進むのが風情たっぷりで、「ええわ～、これええわ～」って感じながら乗車しちゃった（笑）もっと路面電車の話をしたいけど、今回は一寸法師がメーンなのでここまで。
で、住吉大社。


赤い反橋はいつ見ても風情があるなぁ。石灯籠がたくさんあるのは、住吉大社は昔から航海安全祈願の信仰を集めてきたから。いろんな業界の人が寄進した結果、600以上もの石灯籠があるんやって。
ってまた話が反れてしまった💦

一寸法師ゆかりの場所は、境内北側にある種貸社。ここが一寸法師発祥の地と呼ばれているんやって。


手水場を覗いてみると…

あっ！一寸法師を発見！

顔出し看板と、横には巨大なお椀まで💦

このお椀、直径２ｍもあるやって。「普通の人間でも乗れるサイズやん」って思ってたら、実際に2002年に道頓堀で開催された一寸法師レースで使用されたお椀らしい。

ちっちゃい子が乗ってた。かわいい💛
ちなみに大人でも乗れます！
さすが発祥の地や！

この一寸法師の話が伝わる種貸社は、子宝祈願のために多くの参拝者が訪れるんやって！


めでたく子を授かり、奉納された種貸人形の数々！

●一寸法師旅立ちの地　道頓堀

次は一寸法師が旅だったと言われる難波へ行こう。

住吉大社のすぐ近くにある南海電車「住吉大社駅」から電車に乗れば１本で行けるで！

で、やってきたのは法善寺横丁。
いつ来ても風情ありますなぁ～。
で、ここからさらに少し移動したところにある浮世小路へ。

この浮世小路の中に一寸法師ゆかりの場所があると聞いたんやけど……。

おぉ！ありました、一寸法師大明神！
ミナミに遊びに来る人はたくさんいるけど、ここにたどり着くのはなかなか難しいかもしれないね。だって浮世小路は法善寺横丁と道頓堀商店会をつなぐ細～い路地で、見つけるのが難しいねん。

「なんでミナミにこんな祠があるねん？」と思うよね。それはね、一寸法師は「難波の浦」からお椀の船に乗って出発し、淀川に出た後は川を遡っていって京都に行ったと言われているんやけど、難波と淀川につながっているのは川といえば………道頓堀！ちなみに住吉の浦から出発したという説もあるけど、きっと道頓堀を通ったはず！
道頓堀って阪神タイガースが優勝したときにみんなが飛び込むイメージあったんやけど（というか飛び込んだらあかんで、ホンマ）、一寸法師のおかげで少しイメージ変わったわ。
という感じで今日の調査結果をまとめよう。

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・一寸法師は大阪人
・一寸法師は住吉大社の御利益で誕生した
・一寸法師は道頓堀川から京都に向かった
・そんな道頓堀川に飛び込むのはダメ、ゼッタイ！
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【余談】
かぐや姫を宇宙人といったアメリカの友人に一寸法師の話をしてん。そしたら
「Hey、Bob！一寸ってのは約３cmなんだろ。つまり我々の60分の１くらいの大きさだ。道頓堀と京都御所の距離を調べたら約51kmみたいだから、彼の冒険を我々に当てはめれば51km×60で約3,000kmということになる。それってニューヨークからコロラド州のデンバーに相当する距離じゃないか。ハハハハ（笑）一寸法師はスーパーマンなのか！」だって。
えっと、日本人にニューヨークからデンバーは分かりにくいと思うけど、日本だと北海道から沖縄の直線距離が約2,500ｋｍ。いかに遠いか想像できるかな？
アメリカの友人がさらに言うには「お椀という乗り手に決してやさしくない舟に乗って、しかも川を逆流して京都にたどり着いたとは、すごいなぁ一寸法師。頑張ったな一寸法師！ 」だって…。
こんなこと考えるボクの友人のほうがすごい気がするなぁ。