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きつねうどん発祥店が心斎橋に! おだしとお揚げがベストマッチ!
だしを利かせたつゆをうどんにかけ、その上に甘辛く煮た油揚げをのせたきつねうどん。みんな大好きですよね。
農林水産省の「うちの郷土料理」という各地の郷土料理を紹介するページにも「なかでもきつねうどんは大阪府民がもっとも愛するうどん料理といっても過言ではない」とあるとおり、大阪人はきつねうどんに目がないようです。
今回はきつねうどん発祥店として知られる船場「うさみ亭マツバヤ(旧:松葉屋)」まで元祖きつねうどんを食べに行ってきました!
■みんな大好ききつねうどんの歴史!
香川県や秋田県はうどんが名物でよく知られていますが、大阪も負けていないんです!
大阪でのうどん食の歴史は長く、古くは豊臣秀吉の時代までさかのぼります。大阪城を築城する際、現在の大阪市西区新町付近の資材置き場にうどん店やそば店が並んだといいます。ぱっと食べられるうどんやそばはいつの時代も働く人の味方なのかもしれませんね。
その後、うどんが一般に普及したのは江戸中期ごろ。
商業が盛んで「天下の台所」大阪に北海道の昆布はじめ、小麦粉、塩などさまざまな食材が集まり、選び抜かれた食材を使ってうどんが作られました。だし文化の源流がここにあったわけなんですね。
▲今も大阪の食文化を支え続ける黒門市場
1893(明治26)年、宇佐美要太郎がうどん店「松葉屋本舗」を開業します。
当初はうどんの付け合わせに、いなりずし用に甘辛く煮た油揚げを別皿に提供していましたが、多くのお客さんが直接うどんに入れて食べているのを見て、うどんに油揚げを乗せ始めたのがきつねうどんの起源とされています(諸説あります)。
現在「うさみ亭マツバヤ」と名を変えて、船場に店を構えるきつねうどんのオリジン。早速食べに出掛けてみましょう!
■心斎橋駅すぐのマツバヤさん
地下鉄「心斎橋駅」を北改札から出て、心斎橋筋商店街に入ります。
いつもにぎわってますよねぇこのへん。
5分ほどあるいて、「そばよし」がある十字路を東に曲がり、次の十字路を北に向かうと「うさみ亭マツバヤ」さんはすぐそこ!
歴史を感じさせる木製の看板の横には「元祖きつねうどん」の掛札。おぉ~期待が高まります。
さらに隣には「船場の味おじやうどん」の文字がっ!
おじやうどん?なんじゃそらと思いつつ、のれんをくぐり店内にお邪魔します。
あかるい店内はおいしそうなだしの香りがただよいます。
昔ながらのうどん屋さんって感じですね~。
う、おなかすいた!
早速きつねうどんを注文。
待ってる間にメニューを眺めます。
うどんはいろいろありますね。
大阪出身じゃないからなのか見慣れないものもいくつか。
「しのだうどん」ってなんだろうか。「しっぽく」も聞いたことあるけど、頼んだことないからどんなのかわからないな。
「かちんうどん」ってのはもうなにもわからんぞ。
と眺めていると下段に「鉄鍋」の項目が。
なべ焼きうどん的なジャンルってことなのかな?
「おじやうどん」ってそういえば表の看板にもありましたね。
よくまわりの注文を聞いてみるとみなさん「おじやうどん」頼んでますね…。
こちらも気になる…。
おじや=雑炊??
たまごとじうどんみたいな?
ふ~む。
■元祖きつねうどんをいただく
いろいろメニュー見ながら考えていたら、きつねうどんが到着!
おぉ、これはきつねうどんですね。
間違いなくきつねうどんだ。
小さく乗ったかまぼこがにくいね!
おだしは大阪のおうどんにしたら色が濃い目かな。
さっそくいただきます!
まずはお揚げをがぶり。
わりとしっかりめの油揚げをかじれば、
じゅわーと甘辛の煮汁がしみだしてきます。
昆布とかつおのおだしともよく合います。
うまい!
麺はやわらかめで、のどごしというのかつるっとしていて食べやすい。
ほのかにゆずの香りがして、ずるずるとどんどん食べてしまいます。
麺を食べる、お揚げをかじる、だしを飲むで無限に食べられますね。
あっという間に完食。きつねうどんらしいきつねうどんでした。
油揚げは京都錦市場から創業当時と同じものを取り寄せているのだとか。
生まれた時からこんなに完成されていたのか……おそるべし。
■もう一つの名物、「おじやうどん」とは!?
また食べられそうだったので、人気メニューっぽい「おじやうどん」も注文。
隣の人が食べていておいしそうだったのでつい……。
少し待って、おじやうどんが到着。
これですよ。
圧倒的なパワー。
四角の鉄鍋にうどんと、なんとその下にお米が入っている。
おじやとうどんだからおじやうどん。
なるほど、パワー飯だ。
関西人というか大阪の人は
炭水化物×炭水化物好きですよね。
鍋の締めではたいていうどんにするか米にするかで意見が分かれますが、
両方入れてしまえばええねんという、勢いを感じます。
すげぇ。
早速いただきましょう。
「熱いから気を付けて」とおかみさんに言われましたが、確かにめちゃ熱い。
まずはうどん。
先ほどのきつねうどんと同じくやわらかい麺。
うまい。
アナゴやシイタケ、鶏肉など具沢山なのも大変うれしい。
きつねうどんとは違う刻み揚げもたっぷり入っています。
バラエティー豊かで、祝祭感。
うどんを食べながらご飯もぱくり。
おぉー、上品なおだしを吸ってお米がうまいですね。
うどんと米を一緒に食べてもけんかせずに、どっちもおいしい。
これはだしがうまいからですね。
うどんをおかずに雑炊食ってる感じ。
うまいうまい。
途中でたまごの黄身をつぶして、味変。
よりまろやかな味になります。
戦後の食糧難の時代、「麺とご飯が半分ずつで済む」と生み出されたのが
このおじやうどんなんだとか。
明治から戦中、戦後を乗り越えて令和の時代まで続いている老舗ならではの歴史を感じさせるメニューだったのです。
炭水化物に炭水化物を合わせるのが大好きな大阪人に大好評で、
今ではきつねうどんをしのいで一番人気のメニューなんだとか!
大阪食文化の歴史と、大阪人のソウルを感じさせる
味わい深い名店にぜひ足を運んでみてくださいね!
おだしめっちゃうまいし、おすすめです!
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