大阪の食い倒れの出汁文化の旨味

Osaka Bob FAMILY

Shen

食い倒れの街大阪の食文化を支える出汁の旨味

「京の着倒れ、大阪の食い倒れ」ってことわざ知ってる?
これ聞いたときね、「寒がりな京都の人が服を着すぎて倒れたんや」「大阪の人は食い意地が張り過ぎやで」って思ったんやけど、違うみたいね💦
京都はいい着物が作られ、おしゃれな人が多い。
大阪ではおいしい食べものにこだわりがある。
つまり、京都はファッション、大阪はグルメにお金をかける人が多いという意味なんやって!
そんな大阪の食文化を支えたのが、出汁の旨味って話をするよー。

もくじ

■第5の味覚UMAMIを引き出した出汁


日本のグルメ・和食は、2013年にユネスコ文化遺産に登録されると特に注目を集め、その人気は日本に多くの観光客を呼び寄せた。
美味しい料理が食べられる国を旅行先に選ぶ感覚、分かるわー。
和食が世界中で絶賛される最大の理由が、大阪の出汁文化を支える‟UMAMI(旨味)“の存在なんやって!
UMAMIとは、甘味・酸味・塩味・苦味に続く第5の味。
そのUMAMIを最大限に生かして文化にまで昇華させたのが出汁なの。
出汁とは動物性または植物性の素材を水に浸して、旨味成分を抽出した汁のことで、日本では家庭料理から料亭の料理まで、幅広く使われているのよ。
出汁は地域によって異なっていて、関東では「かつおだし」が中心。まろやかな甘味と上品な香りが特徴よ。
一方、関西では昆布をベースにかつお節や煮干しの出汁をブレンドする「合わせだし」が多いの。控えめながらもしっかりとした旨味のあるの。
どうしてそんな違いが生まれたのかについては所説あって、1つは後述する江戸時代の流通システム上、北海道から最初に昆布が運ばれる大阪や京都で売り切れてしまったから、という説や、硬度の低い関西の水が昆布だしにマッチングしたから、などがあるんだって。

■出汁文化の発展に貢献した大阪


今から300年以上前の江戸時代。
大坂(当時は「坂」という字を使っていた)は「天下の台所」と呼ばれるほどの、物流の中心地だったの。
それは各藩が大坂に蔵屋敷を置いたことが大きな理由で、日本中の特産物はいったん大坂に集められて、そこから全国各地に送られる物流システムが確立されたのよ。
数ある特産品の1つには昆布もあった。
遠く北海道で取れた昆布は、北前船に乗って大坂へ。
大阪では加工昆布の製造が始まり、大阪や京都の料理人はその昆布を使って「UMAMI」を引き出す出汁を取ったの。
そうやって大坂は和食に欠かせない出汁文化に関わっていったのよ。
冒頭であたしは「大阪の人は食い意地が張り過ぎやで」って言ったけど、それも間違いじゃないかもしれないわね。
江戸時代って徳川幕府が何度も「庶民は贅沢したらあかん」って命令したけど、元々、大阪は武士が少ない街やったから、食い意地の張った人たちが「俺らは好きなもん作って食べるんや」ってなったのかもしれない。
それは料理人にとってもラッキーな環境で、昆布と鰹の旨みを融合させた「合わせだし」技法のUMAMIを編み出し、バラエティーに富んだ食材で新しいグルメを生み出していったの。料理人のあくなき探求心とチャレンジ精神のおかげで、あたしは毎日美味しいものを食べることができるのね♪感謝感謝だわ💛

■こんなところにも旨味が!

旨味が効いたお好み焼き
UMAMIは和食だけのものじゃないの。
大阪のソウルフードのたこ焼き、お好み焼きなどの‟粉もん“もUMAMIあってこそ。
大人気のラーメンだってUMAMIの競争なのよ!
ミシュランで星を獲得するような有名シェフが、大阪のUMAMIを絶賛するんだから、いかに大阪グルメのレベルが高いかうかがえるでしょ?
そうそう、海外にもUMAMIはちゃんとあることを言っておかないと💦
西洋や中国にも出汁はあるのよ。西洋料理ではブイヨン、フォン。私の母国・中国は湯(タン)ね。
また、多くのイタリア料理のベースになってるトマトのUMAMI、生乳や肉を原料としたチーズや生ハムのUMAMIもあるわ。

最近ではアメリカで「UMAMI BURGER」と名付けられたハンバーガーが人気を集めてるなんて話もあるんだって。
ホント、普段、何気なく食べている料理にもUMAMI成分は入っているかもしれないわね。

旅先で美味しいものを食べる幸せ。
大阪に来たら、UMAMIたっぷりの出汁が利いた、うどんやおでんなんかも食べてってや!

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Shen

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