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ビルの谷間の狭小境内に薬の神様:少彦名神社

大阪の街中に「薬の神様」が鎮座している。大阪メトロ北浜駅から歩いて3分。古くから薬種業者が集まり、今も製薬会社や薬問屋が並ぶ道修町(どしょうまち)通り沿いにある少彦名(すくなひこな)神社だ。

[目次]

■創建は江戸時代。狭いが実績は十分の少彦名神社!

ビルの谷間の、住宅で言えばまさに狭小物件。東隣も製薬会社本店ビル。
道修町通りから北へ入る石畳の参道は、人が何とかすれ違うことができるくらいの狭さ。
十歩ほど歩けば、背の高い御神木と鳥居に突き当たり、その奥に本殿がある。
少彦名神社の狭い参道
少彦名神社の本殿
由緒によると、江戸時代の1780年に薬種仲買い仲間が、薬の安全と薬業繁栄を祈願して医薬や酒造などの能力を持つ少彦名命と、中国で医療と農耕の術を教えた炎帝神農(えんていしんのう)をまつったのが始まり。
江戸末期の1822(文政5年)に大阪でコレラが流行した時には、薬種仲間が疫病除疫で「虎頭殺鬼雄黄圓(ことうさっきおうえん)」という丸薬を調合し、神前で祈祷して、お守りの「張り子の虎」と一緒に配ったところ、患者の病気が治癒したとされる。実績は十分だ。

■目を引く「張り子の虎」。でもタイガーズびいきの神社ではありません!

少彦名神社本殿の張り子の虎
本殿の両側には「祈 新型コロナウイルス退散」と大書され、頼もしい限り。
もちろん、コレラの時にご利益があり、厄除けのキャラクターとなっている大きな「張り子の虎」が、さい銭箱の奥に鎮座し、本殿正面にもつり下げられている。
少彦名神社の本殿
由緒を知らなければ、阪神タイガースびいきの神社と思ってしまうかもしれない。しかしこの虎、「猛虎」ではなく、「神虎」なのだ。

■最近は関ジャニ∞のファンが訪れる聖地に!

近年は、ジャニーズのグループ「関ジャニ∞」のメンバーが、病気になったメンバーのために参拝したことから、「関ジャニ∞」ファンが多く訪れ、聖地になっているらしい。少彦名神社参道脇の家庭薬陳列ケース
参道脇には、ここで祈願を受けた製薬会社の家庭薬約70点が、三つのケースに入って展示されている。
「薬も、パワースポットのパワーを受けて、売られている」。そう思うと、患者でない誰かが、病の人の平癒を願う気持ちの真っすぐさ、ありがたさが身にしみてくる。

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