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やまとも

「永遠のモダン」作庭家・重森三玲に触れるショートトリップ

今日はお庭さんの話題です。皆さんは重森三玲(しげもりみれい)という作庭家をご存じでしょうか?
同氏は昭和に活躍した作庭家で、東京美術学校で日本画を学んだ後、芸術の研究家へと転向し、造園は独学で学んだそうです。生け花や茶道への造詣も深く、茶室の設計も手掛けるなどマルチに活躍しました。大阪でも岸和田城や大阪城豊國神社、林昌寺(泉南市)などに作庭したお庭が残っています。

芸術界に多大なる功績を遺した重森三玲ですが、お庭で何と言っても特徴的なのは「永遠のモダン」と評される特徴的なデザイン。大胆で力強い石組み、幾何学模様や直線・曲線を用いた斬新な苔地は、伝統とモダンを巧みに融合させており、今なお新鮮な気持ちにさせてくれます。日本の美を幅広く研究したからこそなせる技でしょうか…

そんな同氏の魅力を存分に体験できる場所が京都駅から電車・徒歩で10分のところにあります。禅宗の五大寺・京都五山の一つである東福寺の方丈庭園です。方丈とは僧侶の住居とされていたもので、広大な方丈を囲むように東西南北に4つの庭が配されています。完成は1939年、重森三玲43歳のときでした。

剛健に配した巨石は四仙島を表す

まず目に飛び込んでくるのが南庭のダイナミックな枯山水。正面から見て左手に配された巨石は仙人の住む島、右手の苔地は五山、そして渦巻く砂紋は八海の荒波を表していると言われています。構成は伝統的なのに一目見てそれと分かる作風と風格ある剛健な佇まいは、理屈抜きで圧倒されます。私が行ったときは真冬の寒いときだったので、人も少なく贅沢な空間を心行くまで満喫できました。

渦巻く砂紋に浮かぶ苔地

北斗七星を模した円柱が配された東庭のほか、大小の市松模様をモチーフにした西庭、北庭は映え庭としても有名ですよね!同氏と親交が深かった彫刻家・イサムノグチは北庭について、「モンドリアン風の新しい角度の庭」と評したそうです。※下の2つ目の写真が北庭です

東福寺・方丈庭園の西庭
東福寺・方丈庭園の北庭

私が好きな言葉の一つに「破格」があります。表現の手法で決まりから外れることを指しますが、これを意図的に行うには、そもそもの決まりを知らなければできません。重森三玲は画家を志しながら、周囲の才能を目の当たりにして挫折し、研究家を経てマルチな才能を発揮しました。良いもの、人々の目に魅力的に映るものを作るには、どのような姿勢で日ごろ臨むべきか、そんなことを考えさせてくれるのが三玲の魅力だと私は思います。日常から離れてホッと一息、考え事をしたい…そんな時はお庭でボーっと過ごしてみませんか?

京都駅の近くでクラフトビール

ボーっとした後はリフレッシュビールが最高★

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