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Manabu

この秋、夕陽ケ丘でのゆったり散策はいかが?

まいど!マナブです。
さて大阪は日本有数の歴史ある都市なんやけど、意外と知られていないというか、あまりそういう感じで見られていない気がするんよなー。
まあ、お隣に京都や奈良があるからかもしれへんけど、大阪生まれ大阪育ちの僕としては、ちょっと悔しいなーっと思ったりして🤔
というわけで、今回は歴史情緒のある夕陽ケ丘を中心としたエリアを紹介します!

[目次]

■1000年以上前から夕日の名所「夕陽ケ丘」

今では大阪湾に向かって平野が広がる大阪やけど、2000年前は現在の大阪城を北端とする上町台地の周囲は海やったらしい。
その名残は大阪メトロ「四天王寺夕陽ケ丘駅」から西側へ行けば分かる。
この地域には西側へ下っていく急坂がある。これは上町台地の西端にあたり、要は坂の上は昔から続く陸地で、下は海だったということやねん。
だから上町台地から西を向くと、海に夕日が沈んでいく景色を見ることができた。いわゆる夕日スポットやったんやね。
そんな場所やから、西の空に沈む太陽に極楽浄土を祈り、眺める仏教の修行「日想観」が流行すると、たくさんの人が上町台地を訪れたんやって。

中でも鎌倉時代初期のお公家さんで、歌人としても知られる藤原家隆は、上町台地から見える大阪湾の夕日をこよなく愛し、晩年には四天王寺に西側に「夕陽庵」を設けて暮らした。
それが由来となって「夕陽丘」と呼ばれるようになったんや。

口縄坂近くにある藤原家隆の墓

▲口縄坂近くにある藤原家隆の墓

上町台地の周囲も陸地化が進んだ今では、夕陽丘から海を見ることはできない。
それでも、日想観の文化は今でも続いていて、四天王寺では春と秋の彼岸の中日に日想観法要が行われているんや。

四天王寺の石鳥居と夕日

▲四天王寺の石鳥居と夕日

僕も行ったことがあるんやけど、極楽門では僧侶の読経に包まれた荘厳な雰囲気に包まれ、集まった参拝者は手を合わせる。
やがて石鳥居の中を太陽が沈んでいくんやけど「1000年前の人たちも同じようにここで祈りを捧げていたんかな?」なんて思いを馳せると、心がじんわりしてくる。

■「燃えよ剣」に登場する土方歳三ゆかりのスポット

夕陽丘周辺にある急坂には名前が付いているんや。
真言坂、源聖寺坂、口縄坂、愛染坂、清水坂、天神坂そして逢坂。
これらをまとめて天王寺七坂と呼ぶんやけど、坂の周囲には生國魂神社や愛染堂などの寺社が多く、緑豊かで閑静な歴史情緒を感じさせてくれるエリアになっているんや。

天王寺七坂の口縄坂

天王寺七坂の中でも、特に人気があるのが口縄坂。
実はこの辺り、司馬遼太郎の小説「燃えよ剣」の舞台としても登場するねん。
「夕日はこの世で最も華やかなものでしょう。もし、華やかでなければ、華やかたらしむべきものだ」。
これは作中に出てくる土方歳三の言葉。
彼は幕末最強の剣客集団・新選組を厳格な隊規でまとめ上げ、敵だけはなく味方からも恐れられたことから「鬼の副長」と呼ばれていた。
そんな土方歳三も時代の流れに抗えず、鳥羽・伏見の戦いで惨敗。そして彼はこの夕陽丘で恋人のお雪と最後の逢瀬を交わす。
夕日を見ながらこぼれた彼の言葉は、夕日を自らの人生の終盤に例えつつも、決して悲観することなく華々しい最期を迎えたい。そんな決意が伝わる。
このシーン、映画にも登場してるかなー?まだ観に行けてへんねん💦

それと口縄坂を下って北へ少し少し進んだところにある万福寺には「新選組 大阪旅宿跡」の石碑がある。土方歳三も泊まったんかな?
他にも口縄坂の近くには幕末の薩摩藩士・小松帯刀のお墓があったりする。

薩摩藩士・小松帯刀のお墓

小松帯刀は若くして薩摩藩の重臣となり、維新三傑と呼ばれた西郷隆盛や大久保利通の上司として明治維新に貢献した人物。
明治3年(1870年)に大阪で亡くなり、大久保利通や五代友厚が小松帯刀の墓参りに夕陽ケ丘に訪れたという記録も残っているんやって。

■真田幸村が最期を遂げた安居神社

天王寺七坂の一番南側にある逢坂。
坂自体は交通量の多い車道になっているから、あまり情緒はなりんやけど、途中にある安居神社は有名な歴史スポット。
ここは大坂の陣で徳川家康をあと一歩まで追い詰めた、真田幸村が最期を遂げた場所なんや。

真田幸村公の像と真田幸村戦死之碑

大坂冬の陣では真田丸という砦を築き、数万の徳川勢に大打撃を与えた真田幸村。
冬の陣が終わった後、徳川方から「信濃一国(現在の長野県)を与える」という誘いを断り、夏の陣でも豊臣方の武将として戦う。
その時、大坂城の堀は埋め立てられており、真田丸もない。
圧倒的な軍勢を誇る徳川勢に対して、どう考えても豊臣方に勝ち目はない。
それでも彼は武士としての名誉を重んじ、戦い、命を散らした。
真田幸村のファンが多いのも頷ける!

藤原道真を祀る安居神社

学問の神様と男気溢れる武将がゆかりだなんて、すごい神社や💦
境内には「飲ませると子どもの癇(かん)の虫が治まる」と伝わる「癇静めの井」があるけど、今は枯れてて飲めないよ。

■大阪唯一の天然の滝は、霊験あらたかなパワースポット

安居神社の北にある清水坂にも、ぜひ訪れてほしいスポットがある。
「大阪の清水寺」。
清水寺といえば京都の有名な観光名所やね。なんでそれが大阪にあるかというと、本家本元の清水寺を模して創建したから。だから「新清水寺」ともいう。
京都の清水寺と同じく舞台が存在しているし、本尊も京都の清水寺から迎えた十一面千手観世音菩薩。ただ真似しただけじゃなくて、ちゃんと由緒あるお寺なんや。
で、舞台から見える景色は…

大阪の新清水寺の舞台

左手に通天閣!
ここから見る夕日もキレイに違いない!
それと境内にはこんなスポットも。

玉出の滝

水がちょろちょろとしか出てないけど、滝なんやで。
しかも、大阪市内で唯一の天然の滝!
三カ所から水が出ているのは、京都の清水寺にある「音羽の滝」と同じ。
伝承によると、玉出の滝の水は、四天王寺の金堂の下にある青龍池から湧き出る霊水が流れてきてるんやって。
で、その青龍池なんやけど、「聖徳太子は四天王寺を建立する際に、荒陵池に住む大きな青龍を封じ、小さな池にして白石玉出水と呼んだ」という話が残ってる池。
そんな水が流れてるなんて!
なかなかのパワースポットでしょ!
(ちなみに飲料水ではありません)

夕陽ケ丘から天王寺七坂を巡っていると、本当にさまざまなスポットがある。
大阪三大夏祭りのひとつ「生國魂祭」が開催され、「いくたまさん」の愛称で大阪の人たちに親しまれている生國魂神社もあるし、Yuka「ステキな恋をしようよ♪恋愛運アップ!大阪のおすすめ恋愛パワースポット6選!」で紹介してた愛染堂があるのもこのエリア。

天王寺七坂の源聖寺坂

この石畳の源聖寺坂なんかも風情があるし、秋のお散歩にもってこいやと思うねん。
夕陽ケ丘や天王寺七坂は派手なスポットじゃない。
でも時間を気にせず、目の前の景色でかつて繰り広げられた物語に思いを馳せる。そんな散策があってもいいなじゃないかなー、なんて思う。

どう、大阪で歴史散歩してみーへん?

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